DIG社会保険労務士法人の社労士ブログ

2026.02.25

年間の勤務カレンダーは必要?労働日数と残業代計算の重要ポイント

はじめに

こんにちは。福岡市にありますDIG社会保険労務士法人です。
今回は、「年間の勤務カレンダー」について解説いたします。
なお、本記事では変形労働時間制やフレックスタイム制を採用している場合を除き、一般的な労働時間制度を前提としてご説明しております。あらかじめご了承ください。

皆様の会社では、「年間の勤務カレンダー」を作成していますか。
年間の勤務カレンダーとは、1年間の労働日および公休日をあらかじめ定めたものです。
1月1日を起算日とする会社が多いものの、起算日に法的な決まりはなく、各社で自由に設定できます。
・4月1日(年度始まり)
・36協定の起算日
・事業年度の開始日
などに合わせて設定している企業もあります。

「当社は土日祝日休みで、一般的なカレンダーどおりだから不要では?」と感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、営業日が一般的なカレンダーどおりであっても、年間の労働日数を適切に管理するために勤務カレンダーを作成することをおすすめします。

年間の勤務カレンダーはなぜ必要?

年間の勤務カレンダーを作成する目的は、年間の労働日数および労働時間を正確に把握するためです。
年間の労働日数・労働時間は、次のような場面で必要になります。
・残業代計算における1時間あたりの単価を算出するとき
・欠勤や休職者の給与を日割計算するとき
・求人広告等に年間休日数を記載するとき

残業代計算との関係

月給者の残業代は、一般的に次のように計算します。
|月給者の残業代=(基本給+諸手当)÷月の平均所定労働時間×残業時間
 ※残業計算に含めないことができる手当もあります。
 ※「月の平均所定労働時間」を使わないケースもあります。

ここで重要になるのが「月の平均所定労働時間」です。
月の平均所定労働時間は、
|年間の総労働時間 ÷ 12か月
で算出します。
そして、年間の総労働時間は、
|年間の労働日数 × 1日の所定労働時間
で計算されます。

つまり、年間の労働日数が確定していなければ、残業代を正確に計算することはできません。
その基礎となるのが「年間の勤務カレンダー」です。

年間の勤務カレンダーを作成しないとどうなる?

「年間の労働日数は毎年変わるのだから、月の平均所定労働時間も毎年変わるのでは?」
そのとおりです。毎年変動します。
給与計算システムを導入している場合、多くのシステムでは「月の平均所定労働時間」を設定する必要があります。しかし、この設定を長年見直していない企業も少なくありません。
実態と乖離した数値のまま運用していると、
・残業単価が誤っている
・未払い残業代が発生している
といったリスクにつながる可能性があります。

月の平均所定労働時間を一定にする方法

毎年平均所定労働時間を見直し、システム設定を変更するのは手間がかかります。
そこで、年間の労働日数を固定する方法を採用している企業もあります。
年間労働日数を固定する例
例えば、年間の労働日数を240日と固定する場合、
| 1年365日 − 240日 = 125日(年間休日数)
となります。
実際に公休日を数えた結果124日しかない場合には、1日休日を追加する(例:お盆休暇や年末年始休暇を延長する)といった調整を行います。
この方法であれば、年間の労働日、労働時間、月の平均労働時間が一定に保たれるため、システムの設定を変更する必要はありません。

うるう年は特に注意

うるう年は通常年よりも1日多いため、労働日数が変動する可能性があります。
「年間労働時間」「月の平均所定労働時間」「残業単価」にも影響が生じることがありますので、新しい年が始まる前に、是非見直しをお願いします。

まとめ

年間の勤務カレンダーは、単なる休日一覧ではありません。
正確な残業代計算
給与計算の適正化
労務リスクの防止
のために重要な基礎資料です。

「土日祝日休みだから問題ない」と思い込まず、実態に基づいた年間労働日数の管理を行うことが大切です。
勤務カレンダーの作成や見直し、残業単価の確認などでお困りの際は、DIG社会保険労務士法人までお気軽にお問い合わせください。

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